
Linuxはオープンソースで構成されたオペレーティングシステムであり、数多くのソフトウェアが利用できます。
しかし、Linuxでソフトウェアをインストールする方法は、WindowsやMacOSと異なるため、初心者には少し難しく感じることがあります。
そこで、本記事ではLinuxでのソフトウェアのインストール方法について、3つの方法について詳しく解説します。
パッケージマネージャー、ソースコードからのインストール、FlatpakやSnapを用いたインストールについてそれぞれ詳しく説明します。
パッケージマネージャーの利用
Linuxにおいてソフトウェアをインストールする方法には、パッケージマネージャーを利用する方法があります。
パッケージマネージャーは、Linuxのディストリビューション(配布形態)ごとに存在し、利用方法も異なりますが、基本的な使い方は共通しています。
パッケージマネージャーを使うメリットは、依存関係の解決が自動で行われることです。
依存関係とは、あるソフトウェアが別のソフトウェアを必要とする場合のことで、例えば、Webブラウザをインストールするためには、先に必要なライブラリがある場合があります。
パッケージマネージャーを使えば、Webブラウザと必要なライブラリをまとめてインストールできるため、手間が省けます。
パッケージマネージャーの使い方は簡単です。
まず、パッケージマネージャーでインストールしたいソフトウェアが含まれるパッケージのリストを更新します。
これは、以下のコマンドで行えます。
user@linux$ sudo apt update
次に、インストールしたいパッケージを指定して、インストールを実行します。
user@linux$ sudo apt install パッケージ名
パッケージ名は、インストールしたいソフトウェアの名前です。例えば、Webブラウザであれば、「firefox」や「chromium-browser」などが該当します。
また、パッケージマネージャーには、インストールしたパッケージをアップデートする機能もあります。これは、以下のコマンドで行えます。
user@linux$ sudo apt upgrade
パッケージマネージャーを使えば、依存関係の解決が自動で行われるため、手軽にソフトウェアをインストールできます。
しかし、パッケージマネージャーに含まれないソフトウェアをインストールする場合や、最新バージョンのソフトウェアを利用したい場合は、別の方法を考える必要があります。
ソースコードからのインストール
パッケージマネージャーでインストールできないソフトウェアや、最新版のソフトウェアをインストールしたい場合は、ソースコードからのインストールを行う必要があります。
ソースコードとは、ソフトウェアを作るための元となるコードのことで、ソースコードからのインストールとは、このソースコードをコンパイルして実行ファイルを作成し、インストールする方法のことを指します。
ソースコードからのインストールには、まず必要な開発ツールをインストールする必要があります。
これは、以下のコマンドで行えます。
$sudo apt install build-essential
次に、ソースコードをダウンロードします。ソースコードは、ソフトウェアの公式サイトから入手できます。
ダウンロードしたソースコードは、展開する必要があります。展開は、以下のコマンドで行えます。
user@linux$ tar zxvf ソースコードのファイル名.tar.gz
展開したソースコードがあるディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。
user@linux$ ./configure
make
sudo make install
configureコマンドは、システムに合わせてコンパイルの設定を行います。
makeコマンドは、実際にコンパイルを行います。make installコマンドは、実行ファイルをインストールします。
ソースコードからのインストールは、パッケージマネージャーを使ったインストールに比べると手間がかかりますが、最新版のソフトウェアを利用できるため、開発者や上級者には必要な方法と言えます。
ただし、依存関係の解決が自動で行われないため、必要なライブラリやツールを別途インストールする必要がある場合があります。
FlatpakやSnapを用いたインストール
Linuxには、パッケージマネージャーやソースコードからのインストールに加えて、FlatpakやSnapなどのパッケージフォーマットを使ったインストール方法があります。
これらのパッケージフォーマットは、ソフトウェアとその依存関係をすべて1つのパッケージにまとめて提供するため、パッケージマネージャーを使ったインストールに比べて依存関係の解決が簡単になります。
Flatpakは、Linux上で動作するソフトウェアをサンドボックス化して、安全に実行できるようにするための仕組みです。
Flatpakのパッケージは、各ソフトウェアの公式サイトやFlathubと呼ばれるオンラインストアから入手できます。
Flatpakのインストールには、以下のコマンドを実行します。
user@linux$ sudo apt install flatpak
また、Flathubからパッケージをインストールする場合は、以下のコマンドを実行します。
user@linux$ flatpak install パッケージ名
Snapは、Canonicalが開発したパッケージフォーマットで、Ubuntuやその派生ディストリビューションで使われています。
Snapのパッケージは、Snap Storeから入手できます。Snapのインストールには、以下のコマンドを実行します。
user@linux$ sudo apt install snapd
また、Snap Storeからパッケージをインストールする場合は、以下のコマンドを実行します。
user@linux$ sudo snap install パッケージ名
FlatpakやSnapを使ったインストールは、パッケージマネージャーを使ったインストールに比べて、依存関係の解決が簡単で、特定のディストリビューションに依存しないため、移植性が高くなっています。
ただし、パッケージの更新が遅れる場合があるため、最新版のソフトウェアを利用したい場合は、ソースコードからのインストールを検討する必要があります。
まとめ
今回の記事では、Linuxでのソフトウェアのインストール方法について、3つの方法について解説しました。
- パッケージマネージャーを利用する方法について説明しました。
- パッケージマネージャーは、簡単にインストールができるだけでなく、アンインストールやアップデートも簡単に行うことができます。
- ソースコードからのインストールについて説明しました。
- ソースコードからのインストールは、コンパイルに時間がかかるものの、自分に合った最新版のソフトウェアを利用できるというメリットがあります。
- FlatpakやSnapを用いたインストールについて説明しました。
- これらのパッケージフォーマットを利用することで、特定のディストリビューションに依存しない移植性の高いインストールが可能になります。
それぞれのインストール方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。
どの方法を選ぶかは、そのソフトウェアの用途や状況によって変わってきます。
また、個人的な好みや慣れによっても異なることがあるでしょう。
Linuxには様々なソフトウェアがあるため、自分に必要なソフトウェアを導入する際に、本記事が参考になれば幸いです。
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